本日の戦果

「皇国史観」という問題―十五年戦争期における文部省の修史事業と思想統制政策

「皇国史観」という問題―十五年戦争期における文部省の修史事業と思想統制政策

歴史教育問題なんかで時たま出てくる『皇国史観
国の都合で作られた偽史ともいえる存在でありながら、従来は歴史家個人の思想を軸にして語られることの多かったこの史観を文部省という行政機関を軸にして、それがどのように生み出され普及したかを紐解き、戦後どのように解釈され批評されたか見つめなおした力作です。


http://q.hatena.ne.jp/1132969838
http://q.hatena.ne.jp/1148408210
以前、こんな質問があった時に少し考えたんですが、戦後冷戦期、民族自決共産主義が徒党を組んで暴れまっくている時代に大日本帝国は多数の民族を一つにまとめる事ができるだろうか?
八紘一宇という空虚な思想でこれら一大ムーブメントを巻き起こした思想たちに太刀打ちできるだろうか?と
……まあ無理だっただろうなぁ。
幕末に混乱していた日本を一つにまとめる為にかつがれた天皇というある種の宗教性を持つ君主の存在は、多民族国家となった大日本帝国をまともに運営していくには致命的な障害になりかねないほど厄介な存在だったことを改めて思い知らされた一冊でした。